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令和3年2月 定例会代表質問

令和3年度当初予算案について

(質問要旨)
令和3年度当初予算案は、当初予算としても14か月予算としても過去最大であり、本府が直面する喫緊の課題に対し、新型コロナウイルス対策を最優先に、府民の暮らしの安心強化、 子育て環境日本一の実現、京都産業の強みの再構築など積極的な予算措置を講じたことを高く評価する。(評 価)

新型コロナウイルス感染症の医療体制について

(質問要旨)
昨年1月の発生以来、本府は新型コロナウイルス感染症対策として、医療体制の整備に予算を投じ、検査体制の拡充に加え、病床や宿泊療養施設の確保に取り組んできたが、 緊急時に直ちに使用できる病床数は720床ではなく350床に止まり、稼働している病床は7割を超えると聞く。 確保した病床を100%活用するための取組が重要と考えるが、新型コロナウイルス感染症の医療体制に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

(1) 重症者への対応力を高めるため、確保した宿泊療養施設を活用し、陽性者の症状の変化に応じた入院病床の変更、 宿泊療養施設への移転、振り分けの更なる迅速化など、入院医療コントロールセンターの調整力をより発揮することで、入院医療体制を一層、迅速・的確に機能させるべきと考えるがどうか。

(2) 入院病床を増やすためには、公的病院の病床確保が困難な場合、民間医療機関への確保依頼が重要となる。 とりわけ、府内で人口が2番目に多い山城北医療圏には公的病院が無く、民間医療機関が新型コロナウイルス感染者を引き受けた場合には、本来の業務に支障を来し、 病院収入が減少する等の影響が予想されるため、更なる財政的支援が必要と考えるがどうか。

(3)2次医療圏の医療体制の充実について、救急医療、がん医療、認知症診療、災害対応などについては、それぞれの分野の拠点病院を2次医療圏毎に設置しており、 感染症に関しては、現在、第1種感染症指定医療機関として府立医科大学附属病院を、第2種感染症指定医療機関として2次医療圏毎にそれぞれ1医療機関を指定しているが、この分野での体制強化が望まれる。こうした中で、 人口密度や病床数によっては感染症指定医療機関の複数化が必要と考えるがどうか。


(答弁) 
村井議員の御質問にお答えいたします。村井議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、今回の予算案に対しまして高い評価をいただき、厚くお礼を申し上げます。 入院医療コントロールセンターの機能強化についてでございます。京都府では、医師が常駐する入院医療コントロールセンターにより、これまでから患者の症状に応じて、重症と中等症は入院、 軽症や無症状は宿泊施設・自宅療養に振り分けるなど調整を行ってきたところでございます。しかしながら、第3波において感染者数が増加し、重症化リスクの高い高齢者の比率が高まるなど、病床が逼迫する状況となりました。 このような事態を受け、病床の効率的な活用を図るため、宿泊療養施設を3施設826室に拡充するとともに、入院医療コントロールセンターを、個々の患者の療養方針を決定する統括班、入院調整を行う病院調整班、 宿泊療養施設との調整を行う施設療養班の3班体制にし、増員を図ったところでございます。 また、自宅療養者が増える中、安心して療養生活を送れるようパルスオキシメーターの貸出等の健康管理支援や食事等の生活支援を自宅療養者等フォローアップチームが行うなど、体制強化を図ったところでございます。 今後も、入院医療コントロールセンターを中心に、陽性判明から勧告解除まで適確に調整をしてまいりたいと考えております。 次に、医療機関への財政的支援についてでございます。 京都府では、これまでから新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関の病床確保や設備整備に要する費用の補助など、幅広い支援を実施しているところであり、 来年度においても病床確保に対する支援等を行うための予算案を今議会に提案しているところでございます。            また、コロナ禍の影響で厳しい経営状況にある医療機関に対する支援については、これまでから国に対し、繰り返し要望してきたところでございます。 この結果、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている医療機関の診療報酬につきましては、重症者が入院した場合は3倍になるなど、引き上げが行われました。          加えて、新型コロナウイルス感染症患者の受入れの有無にかかわらず、感染予防対策を講じた全ての医療機関につきまして、令和3年4月から特例的な対応として、外来や入院の診療報酬に加算措置されることとなりました。                   引き続きあらゆる機会を通じ、医療機関に対して十分な支援がなされるよう、国に働きかけをしてまいりたいと思っております。  次に、感染症指定医療機関についてでございます。 感染症指定医療機関につきましては、国の配置基準に従い、エボラ出血熱等の一類感染症に対応する第1種感染症指定医療機関を1病院、SARS等の二類感染症に対応する第2種感染症指定医療機関を計6病院指定し、 感染症に対する医療体制を整備してまいりました。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、感染症指定医療機関以外の一般病院も、患者の受け入れを担わざるを得ない状況が、京都府のみならず全国で生じたところでございます。 このような状況を踏まえ、新興感染症等が発生した際に円滑かつ効果的に対応できるよう、令和6年度からの次期保健医療計画の記載事項に「新興感染症等の感染拡大時における医療」が追加されることとなりました。 京都府といたしましても、新型コロナウイルス感染症に対するこれまでの医療提供体制等の検証を行い、次期保健医療計画の内容も踏まえ、地域の実情に応じた感染症対策について検討してまいりたいと考えております。

経済対策について

(質問要旨)
コロナ禍により、府内経済は後退が続いており、特に飲食業や観光関連分野へのマイナスの影響が大きく出るなど府内産業に大きな打撃を与えている。 これまでの対策としては、国の持続化給付金や雇用調整助成金の活用を促進するとともに、市町村と共同した休業要請対象事業者支援給付金の支給や実質無利子となる貸付などを実施してきたが、緊急経済対策に関し、 次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

(1) 貸付の新たな方法として、会計上の負債となり一定期限での返済が発生する一般的な企業の借入れに対し、負債とならずに資本に繰り入れる資本制ローンがあり、一部の企業ではこれを活用していると聞く。 この方法は、金利が高いというデメリットがあるが、据え置き期間が長く設定出来ること等のメリットも挙げられており、これを活用し、制度融資との関係で、一体的な運用を検討すべきと考えるがどうか。

(2) 本府の産業の柱である観光やものづくりを中心とした産業界全体の回復、活性化が重要であり、コロナ禍が及ぼす各業種への影響、特に回復時期の時間差等を丁寧に把握することが、 経済対策の的確さに反映されると考える。本府では危機克服会議において、ビジネスモデル事業の成果を踏まえ、商店街・小売業、ものづくり産業、伝統産業、観光関連産業、食関連産業の5分野で検討しているが、その議論の中味はどうか。

(3) 製造業はものづくりの効率性や生産コストの低下を求め、生産場所の海外移転等を行い、日本で空洞化が進行したが、本府の西陣織、京友禅、京扇子や清水焼などの伝統産業は、その生産地を京都から移すわけにはいかないと考える。 伝統産業の中でも、業種ごとの特徴を踏まえ、異業種との交流、新しいデザインの取入れ、新規事業の立上げ、販売方法の工夫など、新たな展開を行っている企業があることは、 心強く感じるとともにこれらの展開を応援すべきと考えるが、WITHコロナ・POSTコロナ時代の伝統産業の成長の道筋について、どのように考えているのか。また、今後どのような支援を行うのか。


(答弁)
次に、資本性ローンの活用についてでございます。 国においては、新型コロナウイルス感染症対策として、昨年8月から、関係機関の支援を受けて事業の発展・継続を図ろうとする中小企業を対象に、日本政策金融公庫による新たな資本性ローンの取扱いが開始されております。 この資本性ローンは、長期間元本返済がなく、民間金融機関が自己資本とみなすことができるため、民間金融機関による融資と一体的に運用することで、中小企業の事業継続に効果があると考えており、 昨年の6月補正予算により京都産業21に相談窓口を設置し、専門家による資本性ローンに関する相談も受け付けております。 今後は、今議会で予算案を提案しております「金融・経営一体型支援体制強化事業」や、「WITHコロナ・POSTコロナチャレンジ補助金」をはじめ、資本性ローンや制度融資等をご活用いただくことで、 事業の発展・継続を図ろうとする中小企業を経営状況に応じてきめ細やかに支援してまいりたいと考えております。 次に、危機克服会議の検討状況についてでございます。 現在、産業戦略の最終的な取りまとめに向けて、議論を進めております。 委員からは、第一に、商店街・小売業の分野では、創業、教育、子育てなど商店街の持つ多面的な機能を再認識し、その機能を強化する必要がある、二つ目に、ものづくり産業の分野では、中小企業の特色を生かし、 今後求められる社会課題解決型のビジネスを構築するためには、デジタルトランスフォーメーションの推進と複数の企業や大学・研究機関が一層連携・協力して取り組むシステム作りが必要である、三つ目に、伝統産業の分野では、 世界市場への進出に向け、伝統産業が培った生活文化を生かした商品開発をはじめ、ものづくりを支える分業体制の再構築、人材育成など抜本的な産地の構造改革が必要である、四つ目に、観光関連産業の分野では、「観光の多面的な価値」 を地域で共有し、府内各地の多様な文化資源など「本物」の価値を活かし、持続性の高い観光モデルを作る必要がある、五つ目、食関連産業の分野では、中食が注目されるなど、食生活が大きく変化する中で、和食文化を活かし、農業から、 食品加工、飲食・流通まで連携した取組が必要である、とこのような意見をいただいております。 今後、コロナ社会対応ビジネスモデル創造事業補助金の成果や、国内外の先進事例も踏まえまして、WITHコロナ・POSTコロナ社会における京都産業の戦略を策定してまいりたいと考えております。 次に、伝統産業の変革に向けた支援でございます。 京都の伝統産業は、独創性溢れた作家や高い手業(てわざ)を持った職人が、それぞれの役割を果たしながら、ものづくりを進める共創システムが築かれ、生活文化提案型産業として創造的な土壌がありました。 しかし、消費者の価値観の変化等に対応した変革が進まず、コロナ禍以前から売上や生産量が縮小し、従事者数も減少、新規参入者も少ないという負のサイクルに陥り、市場開拓に必要な価値創造力が落ちています。 この状況を打開するためには、各産地が協力して大きなビジョンを掲げ、商品開発力や市場開拓力の向上、ものづくりシステムの再構築、そして基盤となる人づくりについて、抜本的な構造改革を行う必要があります。 この先行的な試みとして、西陣織、京友禅、丹後織物の3産地が協力し、京都の文化力と高度な技術を生かし、次代のライフスタイルを提案できるような商品を開発し、世界市場で存在感を持つシルク・テキスタイル産地を目指す取組を支援 したいと考えています。 そのため、業種を超えた企業でグループを組み、最先端技術も活用しながら、魅力的な商品を開発し、世界市場に挑戦する活動を支援します。 また、産地が取り組む、社会的分業体制の再構築、次代を担う人材を創出・育成するシステムづくりにも協力したいと考えており、支援に必要な予算案を今議会に提案しています。 今後とも、各産地が協力して市場を開拓する活動を支援し、京都の伝統産業が世界の高級市場で活躍できるよう全力でサポートしてまいります。

大戸川ダムと流域治水について

(質問要旨)
近年では、平成16年の台風第23号や、平成24年から毎年のように連続して発生した大雨等により、本府も被災してきたが、長年にわたるダム建設や河道改修に加え、 「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」等により、淀川地域の安心安全は大きく前進した。更に「5か年加速化対策」の内容は、橋梁、河川、学校、道路、防災気象情報など多岐に及ぶが、特に淀川水系の洪水対策として、 国が示す「流域治水への転換」に関心を持つところであり、大戸川ダムと流域治水に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

(1) 本府の淀川水系の河川整備に関する技術検討会の報告における、大戸川ダムの役割について、桂川、木津川、宇治川の三川合流を持つ府南部にとって必要性、緊急性が高いとの指摘は重要であり、 本府は、大戸川ダム建設を含むハード整備に対する考えを明確にすべきと考える。ダム建設の費用負担等、今後、国や他府県との協議が必要となるが、技術検討会の報告に基づき、大戸川ダムの建設や、 建設途中の三重県の川上ダムの完成を急ぐよう国に求め、河川整備を促進することが流域治水の重要な柱となり、府民の安心安全の強化や府民福祉の向上にもつながると考えるがどうか。

(2) 「流域治水への転換」については、従来の洪水調節や河道改修などの治水対策に代わるものではなく、これらに加え、洪水をより安全で安心に下流に流すため、流域の保水力を高める手法等も含めて実施されるものと理解しており、 淀川水系の三川合流部を持つ宇治久御山地域の古川、井川、名木川などの河川や、由良川水系の支流では、更なる治水効果を期待するが、本府が考える流域治水のイメージとその効果はどうか。また、 本府において流域治水を実施してきた具体的な事例はどうか。


(当日答弁)
大戸川ダムと流域治水についてでございます。 「淀川水系の河川整備に関する技術検討会」の提言では、桂川の河川改修を切れ目なく実施するため、大戸川ダムの必要性・緊急性が高まっているとされております。 今後、河川整備計画の変更に向けた手続の中で、治水事業の一つとして大戸川ダムについても議論されるものと考えており、この提言も踏まえつつ、必要性の精査など、十分に検討していきたいと考えております。 川上ダムにつきましては、令和4年度末の完成に向けた着実な事業の推進を求めてまいります。 淀川水系の治水では、ダム等の貯める対策と河道改修等の流す対策を適切に組み合わせる必要があり、今後の河川整備計画では、一段高い目標を設定して、治水事業を新たな段階に進めるよう国に申し入れ、変更の手続を進めていくことで合意されたところでございます。 府民の命と財産を守っていくため、府民の皆様や関係市町村、議会等のご意見も伺いながら国や関係府県との議論を進めてまいりたいと考えております。 次に、流域治水についてでございます。 流域治水とは、議員御指摘の通り、従来の治水対策に加え、雨水貯留機能の拡大、住まい方の工夫、森林保全など、市民、企業も含む流域のあらゆる関係者が協働してハード・ソフト一体で進める水害対策であり、 氾濫をできるだけ防ぎ、被害を軽減するとともに、被災後の復旧・復興に要する期間を短縮する効果が期待できると考えております。 このため、京都府においては、全国に先駆けて流域治水の取組を実施しております。「災害からの安全な京都づくり条例」における災害に強いまちづくり等の施策は、流域治水の考え方に沿うものであり、 重要開発調整池の設置義務化、森林の適正管理などの取組を推進しているところでございます。 流域治水には多様な主体の自主的努力によるものも多いため、効果を確実に発揮させることが難しい面もあり、施策の実効性を高めることが今後の課題となります。 先般、流域治水関連法案が閣議決定されるなど、制度の整備が進められており、こうした動向も注視しつつ、幅広い関係者との連携を図りながら、流域治水の取組を進めてまいりたいと考えております。

DMOによる地域活性化についてて

(質問要旨)
本府は南北に長く、それぞれの地域に歴史があることから、地域の特性を踏まえた活性化策として、DMOを立ち上げるとともに「海の京都」、「森の京都」、 「お茶の京都」等のテーマを設け、観光など集中した取組を展開したことにより地域の活性化が進み、成果が出てきていることを評価するが、DMOによる地域活性化に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

(1) DMOの取組は柔軟性があることから、従来の枠にとらわれない組み合わせやコラボへの期待ができ、現在求められている技術革新としての「新結合」を創る存在がDMOであると考える。本府は「海の京都」、 「森の京都」、「お茶の京都」の取組を展開し、DMOを中心に地域振興に取り組んでいるが、それぞれの成果と、今後の課題はどうか。

(2) 生活様式の変化に伴うお茶離れや生産者の高齢化による継承者の不足等が指摘され、府南部地域で茶畑の減少を実感する中、DMOが持つ側面的支援の役割に期待する。本府にはブランド産品があり、DMOが地域ブランドのPRを行う例として丹後コシヒカリ、京都牛、宇治茶等があるが、特にお茶の分野でのネットワーク化、販売先や販売方法の拡大などについて、 従来の取組に加え、DMOが側面からの支援として、様々な分野の結合・コラボの仕掛けを行うべきと考えるがどうか。また、そうしたDMOの強みを最大限活用することで、更なる前向きな取組が可能となると考えるがどうか。


京都式少人数教育等について

(質問要旨)

京都式少人数教育は、「少人数授業」、「ティームティーチング」、「少人数学級」の3つの方式があり、市町村教育委員会が、実情に合わせて選択できる柔軟性を持った教育を推進してきたが、京都式少人数教育等に関し、 次の諸点について、所見を伺いたい。(教 育 長)

(1) 少子化に伴う児童生徒の減少により、昨年5月時点で本府の35人以下の学級数の割合は、小学校で98%強、中学校で69%弱となっている。そのような状況の下、国は一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細かな指導を行うため、2025年度までに小学校全学年で1学級の定員を35人以下に引き下げる方針を出したが、この「35人学級」への移行方針についてどのように考えているのか。

(2) 府内の小学校ではすでに98%が35人以下の学級となっているが、これまでの京都式少人数教育の成果をどのように考えているのか。また、国の方針を受け、京都式少人数教育の方向性に変化はあるのか。

(3) 京都式少人数教育は教師にとっても児童生徒にとっても柔軟性が高い方法であり、特に習熟度に配慮した授業のあり方は、義務教育期間において重要と考えるが、「35人学級」をはじめ、学級の人数ありきの編成方針で、習熟度への対応は可能なのか。また、ICTの導入などにより、教師の教える力が問われる機会が多くなるため、研修制度の中身の充実や資質向上のための施策が必要と考えるがどうか。

(4) 北方領土返還要求運動が継続される中、更なる府民の意識向上と継続のためにも、高校生・中学生による、北方領土返還をテーマにした作文コンクールは欠かせないと考えるが、これまでの作文コンクールの取組や、その内容からの気付きはどうか。また、作文コンクールへの参加が府内全市町村に広がるべきと考えるがどうか。


(教育長答弁)
村井議員の御質問にお答えいたします。  少人数教育についてでございますが、国においては、小学校2年生から6年生まで、5年計画で35人学級に移行する方針を示され、法改正案が閣議決定されたところであります。 こうした方針は、子どもたち一人一人に応じたきめ細やかな指導体制について、教員定数の安定的な確保も図りながら計画的に整備を進めるものであり、少人数化への貴重な第一歩として評価できると考えております。 ただ、35人学級という基準は、これまでから京都式少人数教育として先行して取り組んできた範囲の内容であり、中学校における計画が示されていないことも含め、更なる指導体制の充実に向けて議論が進むことを期待するところであります。 一方、京都式少人数教育は、少人数学級のほか、学校や地域の実状を踏まえ、少人数授業やティームティーチングといった手法を実情に応じて選択できることとしており、こうした柔軟性が市町教育委員会からも評価されております。 そうした中、個別最適な学びなどを進めるためには、議員御指摘のとおり、時には学級という単位に縛られることなく、習熟度別など様々な形で授業を組み立てることも重要になってくるため、少人数教育の中で柔軟な選択が行えるという理念は今後も維持しつつ、教科担任制の導入といった新たな方向性も視野に入れながら、更なる指導体制の充実を図って参りたいと考えております。 また、新しい時代の教育を進めていくためには、量的な環境整備に加え、質の充実に向けて教員の資質能力の向上を図ることが大変重要であると考えており、現在、教員の働き方改革にも配慮しつつ、出前方式やWEB方式の活用など多様な研修を実施しているところでございます。 今後は、時代の変化を踏まえ、ICTを活用する能力や、児童生徒一人一人の適性等に応じた豊かな学びをコーディネートする力などが必要と考えており、ICT も効果的に活用しながら、研修の一層の充実に努めて参ります。 次に、北方領土返還をテーマにした作文コンクールについてでございます。このコンクールには、中学生や高校生が、我が国固有の領土である北方領土について興味を持って学び、子どもの目線で意見をまとめた作文が、毎年1千件以上寄せられております。 今年度の受賞者の作文でも、北方領土の問題を自分事として考えることや語り継ぐことの重要性などがまとめられており、毎年、子どもたちの学びや考えの深さを強く感じているところであります。 こうした機会を通じて、子どもたちに主体的に社会に参画しようとする意識を育むことは大変重要であり、今後とも、府民会議や京都府北方領土教育者会議と連携しながら、こうした学びの場が更に広まるよう努めて参りたいと考えております。

令和3年度当初予算案について

(質問要旨)
令和3年度当初予算案は、当初予算としても14か月予算としても過去最大であり、本府が直面する喫緊の課題に対し、新型コロナウイルス対策を最優先に、府民の暮らしの安心強化、 子育て環境日本一の実現、京都産業の強みの再構築など積極的な予算措置を講じたことを高く評価する。(評 価)

新型コロナウイルス感染症の医療体制について

(質問要旨)
昨年1月の発生以来、本府は新型コロナウイルス感染症対策として、医療体制の整備に予算を投じ、検査体制の拡充に加え、病床や宿泊療養施設の確保に取り組んできたが、 緊急時に直ちに使用できる病床数は720床ではなく350床に止まり、稼働している病床は7割を超えると聞く。 確保した病床を100%活用するための取組が重要と考えるが、新型コロナウイルス感染症の医療体制に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

(1) 重症者への対応力を高めるため、確保した宿泊療養施設を活用し、陽性者の症状の変化に応じた入院病床の変更、 宿泊療養施設への移転、振り分けの更なる迅速化など、入院医療コントロールセンターの調整力をより発揮することで、入院医療体制を一層、迅速・的確に機能させるべきと考えるがどうか。

(2) 入院病床を増やすためには、公的病院の病床確保が困難な場合、民間医療機関への確保依頼が重要となる。 とりわけ、府内で人口が2番目に多い山城北医療圏には公的病院が無く、民間医療機関が新型コロナウイルス感染者を引き受けた場合には、本来の業務に支障を来し、 病院収入が減少する等の影響が予想されるため、更なる財政的支援が必要と考えるがどうか。

(3)2次医療圏の医療体制の充実について、救急医療、がん医療、認知症診療、災害対応などについては、それぞれの分野の拠点病院を2次医療圏毎に設置しており、 感染症に関しては、現在、第1種感染症指定医療機関として府立医科大学附属病院を、第2種感染症指定医療機関として2次医療圏毎にそれぞれ1医療機関を指定しているが、この分野での体制強化が望まれる。こうした中で、 人口密度や病床数によっては感染症指定医療機関の複数化が必要と考えるがどうか。


(答弁) 
村井議員の御質問にお答えいたします。村井議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、今回の予算案に対しまして高い評価をいただき、厚くお礼を申し上げます。 入院医療コントロールセンターの機能強化についてでございます。京都府では、医師が常駐する入院医療コントロールセンターにより、これまでから患者の症状に応じて、重症と中等症は入院、 軽症や無症状は宿泊施設・自宅療養に振り分けるなど調整を行ってきたところでございます。しかしながら、第3波において感染者数が増加し、重症化リスクの高い高齢者の比率が高まるなど、病床が逼迫する状況となりました。 このような事態を受け、病床の効率的な活用を図るため、宿泊療養施設を3施設826室に拡充するとともに、入院医療コントロールセンターを、個々の患者の療養方針を決定する統括班、入院調整を行う病院調整班、 宿泊療養施設との調整を行う施設療養班の3班体制にし、増員を図ったところでございます。 また、自宅療養者が増える中、安心して療養生活を送れるようパルスオキシメーターの貸出等の健康管理支援や食事等の生活支援を自宅療養者等フォローアップチームが行うなど、体制強化を図ったところでございます。 今後も、入院医療コントロールセンターを中心に、陽性判明から勧告解除まで適確に調整をしてまいりたいと考えております。 次に、医療機関への財政的支援についてでございます。 京都府では、これまでから新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関の病床確保や設備整備に要する費用の補助など、幅広い支援を実施しているところであり、 来年度においても病床確保に対する支援等を行うための予算案を今議会に提案しているところでございます。            また、コロナ禍の影響で厳しい経営状況にある医療機関に対する支援については、これまでから国に対し、繰り返し要望してきたところでございます。 この結果、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている医療機関の診療報酬につきましては、重症者が入院した場合は3倍になるなど、引き上げが行われました。          加えて、新型コロナウイルス感染症患者の受入れの有無にかかわらず、感染予防対策を講じた全ての医療機関につきまして、令和3年4月から特例的な対応として、外来や入院の診療報酬に加算措置されることとなりました。                   引き続きあらゆる機会を通じ、医療機関に対して十分な支援がなされるよう、国に働きかけをしてまいりたいと思っております。  次に、感染症指定医療機関についてでございます。 感染症指定医療機関につきましては、国の配置基準に従い、エボラ出血熱等の一類感染症に対応する第1種感染症指定医療機関を1病院、SARS等の二類感染症に対応する第2種感染症指定医療機関を計6病院指定し、 感染症に対する医療体制を整備してまいりました。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、感染症指定医療機関以外の一般病院も、患者の受け入れを担わざるを得ない状況が、京都府のみならず全国で生じたところでございます。 このような状況を踏まえ、新興感染症等が発生した際に円滑かつ効果的に対応できるよう、令和6年度からの次期保健医療計画の記載事項に「新興感染症等の感染拡大時における医療」が追加されることとなりました。 京都府といたしましても、新型コロナウイルス感染症に対するこれまでの医療提供体制等の検証を行い、次期保健医療計画の内容も踏まえ、地域の実情に応じた感染症対策について検討してまいりたいと考えております。

経済対策について

(質問要旨)
コロナ禍により、府内経済は後退が続いており、特に飲食業や観光関連分野へのマイナスの影響が大きく出るなど府内産業に大きな打撃を与えている。 これまでの対策としては、国の持続化給付金や雇用調整助成金の活用を促進するとともに、市町村と共同した休業要請対象事業者支援給付金の支給や実質無利子となる貸付などを実施してきたが、緊急経済対策に関し、 次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

(1) 貸付の新たな方法として、会計上の負債となり一定期限での返済が発生する一般的な企業の借入れに対し、負債とならずに資本に繰り入れる資本制ローンがあり、一部の企業ではこれを活用していると聞く。 この方法は、金利が高いというデメリットがあるが、据え置き期間が長く設定出来ること等のメリットも挙げられており、これを活用し、制度融資との関係で、一体的な運用を検討すべきと考えるがどうか。

(2) 本府の産業の柱である観光やものづくりを中心とした産業界全体の回復、活性化が重要であり、コロナ禍が及ぼす各業種への影響、特に回復時期の時間差等を丁寧に把握することが、 経済対策の的確さに反映されると考える。本府では危機克服会議において、ビジネスモデル事業の成果を踏まえ、商店街・小売業、ものづくり産業、伝統産業、観光関連産業、食関連産業の5分野で検討しているが、その議論の中味はどうか。

(3) 製造業はものづくりの効率性や生産コストの低下を求め、生産場所の海外移転等を行い、日本で空洞化が進行したが、本府の西陣織、京友禅、京扇子や清水焼などの伝統産業は、その生産地を京都から移すわけにはいかないと考える。 伝統産業の中でも、業種ごとの特徴を踏まえ、異業種との交流、新しいデザインの取入れ、新規事業の立上げ、販売方法の工夫など、新たな展開を行っている企業があることは、 心強く感じるとともにこれらの展開を応援すべきと考えるが、WITHコロナ・POSTコロナ時代の伝統産業の成長の道筋について、どのように考えているのか。また、今後どのような支援を行うのか。


(答弁)
次に、資本性ローンの活用についてでございます。 国においては、新型コロナウイルス感染症対策として、昨年8月から、関係機関の支援を受けて事業の発展・継続を図ろうとする中小企業を対象に、日本政策金融公庫による新たな資本性ローンの取扱いが開始されております。 この資本性ローンは、長期間元本返済がなく、民間金融機関が自己資本とみなすことができるため、民間金融機関による融資と一体的に運用することで、中小企業の事業継続に効果があると考えており、 昨年の6月補正予算により京都産業21に相談窓口を設置し、専門家による資本性ローンに関する相談も受け付けております。 今後は、今議会で予算案を提案しております「金融・経営一体型支援体制強化事業」や、「WITHコロナ・POSTコロナチャレンジ補助金」をはじめ、資本性ローンや制度融資等をご活用いただくことで、 事業の発展・継続を図ろうとする中小企業を経営状況に応じてきめ細やかに支援してまいりたいと考えております。 次に、危機克服会議の検討状況についてでございます。 現在、産業戦略の最終的な取りまとめに向けて、議論を進めております。 委員からは、第一に、商店街・小売業の分野では、創業、教育、子育てなど商店街の持つ多面的な機能を再認識し、その機能を強化する必要がある、二つ目に、ものづくり産業の分野では、中小企業の特色を生かし、 今後求められる社会課題解決型のビジネスを構築するためには、デジタルトランスフォーメーションの推進と複数の企業や大学・研究機関が一層連携・協力して取り組むシステム作りが必要である、三つ目に、伝統産業の分野では、 世界市場への進出に向け、伝統産業が培った生活文化を生かした商品開発をはじめ、ものづくりを支える分業体制の再構築、人材育成など抜本的な産地の構造改革が必要である、四つ目に、観光関連産業の分野では、「観光の多面的な価値」 を地域で共有し、府内各地の多様な文化資源など「本物」の価値を活かし、持続性の高い観光モデルを作る必要がある、五つ目、食関連産業の分野では、中食が注目されるなど、食生活が大きく変化する中で、和食文化を活かし、農業から、 食品加工、飲食・流通まで連携した取組が必要である、とこのような意見をいただいております。 今後、コロナ社会対応ビジネスモデル創造事業補助金の成果や、国内外の先進事例も踏まえまして、WITHコロナ・POSTコロナ社会における京都産業の戦略を策定してまいりたいと考えております。 次に、伝統産業の変革に向けた支援でございます。 京都の伝統産業は、独創性溢れた作家や高い手業(てわざ)を持った職人が、それぞれの役割を果たしながら、ものづくりを進める共創システムが築かれ、生活文化提案型産業として創造的な土壌がありました。 しかし、消費者の価値観の変化等に対応した変革が進まず、コロナ禍以前から売上や生産量が縮小し、従事者数も減少、新規参入者も少ないという負のサイクルに陥り、市場開拓に必要な価値創造力が落ちています。 この状況を打開するためには、各産地が協力して大きなビジョンを掲げ、商品開発力や市場開拓力の向上、ものづくりシステムの再構築、そして基盤となる人づくりについて、抜本的な構造改革を行う必要があります。 この先行的な試みとして、西陣織、京友禅、丹後織物の3産地が協力し、京都の文化力と高度な技術を生かし、次代のライフスタイルを提案できるような商品を開発し、世界市場で存在感を持つシルク・テキスタイル産地を目指す取組を支援 したいと考えています。 そのため、業種を超えた企業でグループを組み、最先端技術も活用しながら、魅力的な商品を開発し、世界市場に挑戦する活動を支援します。 また、産地が取り組む、社会的分業体制の再構築、次代を担う人材を創出・育成するシステムづくりにも協力したいと考えており、支援に必要な予算案を今議会に提案しています。 今後とも、各産地が協力して市場を開拓する活動を支援し、京都の伝統産業が世界の高級市場で活躍できるよう全力でサポートしてまいります。

大戸川ダムと流域治水について

(質問要旨)
近年では、平成16年の台風第23号や、平成24年から毎年のように連続して発生した大雨等により、本府も被災してきたが、長年にわたるダム建設や河道改修に加え、 「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」等により、淀川地域の安心安全は大きく前進した。更に「5か年加速化対策」の内容は、橋梁、河川、学校、道路、防災気象情報など多岐に及ぶが、特に淀川水系の洪水対策として、 国が示す「流域治水への転換」に関心を持つところであり、大戸川ダムと流域治水に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

(1) 本府の淀川水系の河川整備に関する技術検討会の報告における、大戸川ダムの役割について、桂川、木津川、宇治川の三川合流を持つ府南部にとって必要性、緊急性が高いとの指摘は重要であり、 本府は、大戸川ダム建設を含むハード整備に対する考えを明確にすべきと考える。ダム建設の費用負担等、今後、国や他府県との協議が必要となるが、技術検討会の報告に基づき、大戸川ダムの建設や、 建設途中の三重県の川上ダムの完成を急ぐよう国に求め、河川整備を促進することが流域治水の重要な柱となり、府民の安心安全の強化や府民福祉の向上にもつながると考えるがどうか。

(2) 「流域治水への転換」については、従来の洪水調節や河道改修などの治水対策に代わるものではなく、これらに加え、洪水をより安全で安心に下流に流すため、流域の保水力を高める手法等も含めて実施されるものと理解しており、 淀川水系の三川合流部を持つ宇治久御山地域の古川、井川、名木川などの河川や、由良川水系の支流では、更なる治水効果を期待するが、本府が考える流域治水のイメージとその効果はどうか。また、 本府において流域治水を実施してきた具体的な事例はどうか。


(当日答弁)
大戸川ダムと流域治水についてでございます。 「淀川水系の河川整備に関する技術検討会」の提言では、桂川の河川改修を切れ目なく実施するため、大戸川ダムの必要性・緊急性が高まっているとされております。 今後、河川整備計画の変更に向けた手続の中で、治水事業の一つとして大戸川ダムについても議論されるものと考えており、この提言も踏まえつつ、必要性の精査など、十分に検討していきたいと考えております。 川上ダムにつきましては、令和4年度末の完成に向けた着実な事業の推進を求めてまいります。 淀川水系の治水では、ダム等の貯める対策と河道改修等の流す対策を適切に組み合わせる必要があり、今後の河川整備計画では、一段高い目標を設定して、治水事業を新たな段階に進めるよう国に申し入れ、変更の手続を進めていくことで合意されたところでございます。 府民の命と財産を守っていくため、府民の皆様や関係市町村、議会等のご意見も伺いながら国や関係府県との議論を進めてまいりたいと考えております。 次に、流域治水についてでございます。 流域治水とは、議員御指摘の通り、従来の治水対策に加え、雨水貯留機能の拡大、住まい方の工夫、森林保全など、市民、企業も含む流域のあらゆる関係者が協働してハード・ソフト一体で進める水害対策であり、 氾濫をできるだけ防ぎ、被害を軽減するとともに、被災後の復旧・復興に要する期間を短縮する効果が期待できると考えております。 このため、京都府においては、全国に先駆けて流域治水の取組を実施しております。「災害からの安全な京都づくり条例」における災害に強いまちづくり等の施策は、流域治水の考え方に沿うものであり、 重要開発調整池の設置義務化、森林の適正管理などの取組を推進しているところでございます。 流域治水には多様な主体の自主的努力によるものも多いため、効果を確実に発揮させることが難しい面もあり、施策の実効性を高めることが今後の課題となります。 先般、流域治水関連法案が閣議決定されるなど、制度の整備が進められており、こうした動向も注視しつつ、幅広い関係者との連携を図りながら、流域治水の取組を進めてまいりたいと考えております。

DMOによる地域活性化についてて

(質問要旨)
本府は南北に長く、それぞれの地域に歴史があることから、地域の特性を踏まえた活性化策として、DMOを立ち上げるとともに「海の京都」、「森の京都」、 「お茶の京都」等のテーマを設け、観光など集中した取組を展開したことにより地域の活性化が進み、成果が出てきていることを評価するが、DMOによる地域活性化に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

(1) DMOの取組は柔軟性があることから、従来の枠にとらわれない組み合わせやコラボへの期待ができ、現在求められている技術革新としての「新結合」を創る存在がDMOであると考える。本府は「海の京都」、 「森の京都」、「お茶の京都」の取組を展開し、DMOを中心に地域振興に取り組んでいるが、それぞれの成果と、今後の課題はどうか。

(2) 生活様式の変化に伴うお茶離れや生産者の高齢化による継承者の不足等が指摘され、府南部地域で茶畑の減少を実感する中、DMOが持つ側面的支援の役割に期待する。本府にはブランド産品があり、DMOが地域ブランドのPRを行う例として丹後コシヒカリ、京都牛、宇治茶等があるが、特にお茶の分野でのネットワーク化、販売先や販売方法の拡大などについて、 従来の取組に加え、DMOが側面からの支援として、様々な分野の結合・コラボの仕掛けを行うべきと考えるがどうか。また、そうしたDMOの強みを最大限活用することで、更なる前向きな取組が可能となると考えるがどうか。


京都式少人数教育等について

(質問要旨)

京都式少人数教育は、「少人数授業」、「ティームティーチング」、「少人数学級」の3つの方式があり、市町村教育委員会が、実情に合わせて選択できる柔軟性を持った教育を推進してきたが、京都式少人数教育等に関し、 次の諸点について、所見を伺いたい。(教 育 長)

(1) 少子化に伴う児童生徒の減少により、昨年5月時点で本府の35人以下の学級数の割合は、小学校で98%強、中学校で69%弱となっている。そのような状況の下、国は一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細かな指導を行うため、2025年度までに小学校全学年で1学級の定員を35人以下に引き下げる方針を出したが、この「35人学級」への移行方針についてどのように考えているのか。

(2) 府内の小学校ではすでに98%が35人以下の学級となっているが、これまでの京都式少人数教育の成果をどのように考えているのか。また、国の方針を受け、京都式少人数教育の方向性に変化はあるのか。

(3) 京都式少人数教育は教師にとっても児童生徒にとっても柔軟性が高い方法であり、特に習熟度に配慮した授業のあり方は、義務教育期間において重要と考えるが、「35人学級」をはじめ、学級の人数ありきの編成方針で、習熟度への対応は可能なのか。また、ICTの導入などにより、教師の教える力が問われる機会が多くなるため、研修制度の中身の充実や資質向上のための施策が必要と考えるがどうか。

(4) 北方領土返還要求運動が継続される中、更なる府民の意識向上と継続のためにも、高校生・中学生による、北方領土返還をテーマにした作文コンクールは欠かせないと考えるが、これまでの作文コンクールの取組や、その内容からの気付きはどうか。また、作文コンクールへの参加が府内全市町村に広がるべきと考えるがどうか。


(教育長答弁)
村井議員の御質問にお答えいたします。  少人数教育についてでございますが、国においては、小学校2年生から6年生まで、5年計画で35人学級に移行する方針を示され、法改正案が閣議決定されたところであります。 こうした方針は、子どもたち一人一人に応じたきめ細やかな指導体制について、教員定数の安定的な確保も図りながら計画的に整備を進めるものであり、少人数化への貴重な第一歩として評価できると考えております。 ただ、35人学級という基準は、これまでから京都式少人数教育として先行して取り組んできた範囲の内容であり、中学校における計画が示されていないことも含め、更なる指導体制の充実に向けて議論が進むことを期待するところであります。 一方、京都式少人数教育は、少人数学級のほか、学校や地域の実状を踏まえ、少人数授業やティームティーチングといった手法を実情に応じて選択できることとしており、こうした柔軟性が市町教育委員会からも評価されております。 そうした中、個別最適な学びなどを進めるためには、議員御指摘のとおり、時には学級という単位に縛られることなく、習熟度別など様々な形で授業を組み立てることも重要になってくるため、少人数教育の中で柔軟な選択が行えるという理念は今後も維持しつつ、教科担任制の導入といった新たな方向性も視野に入れながら、更なる指導体制の充実を図って参りたいと考えております。 また、新しい時代の教育を進めていくためには、量的な環境整備に加え、質の充実に向けて教員の資質能力の向上を図ることが大変重要であると考えており、現在、教員の働き方改革にも配慮しつつ、出前方式やWEB方式の活用など多様な研修を実施しているところでございます。 今後は、時代の変化を踏まえ、ICTを活用する能力や、児童生徒一人一人の適性等に応じた豊かな学びをコーディネートする力などが必要と考えており、ICT も効果的に活用しながら、研修の一層の充実に努めて参ります。 次に、北方領土返還をテーマにした作文コンクールについてでございます。このコンクールには、中学生や高校生が、我が国固有の領土である北方領土について興味を持って学び、子どもの目線で意見をまとめた作文が、毎年1千件以上寄せられております。 今年度の受賞者の作文でも、北方領土の問題を自分事として考えることや語り継ぐことの重要性などがまとめられており、毎年、子どもたちの学びや考えの深さを強く感じているところであります。 こうした機会を通じて、子どもたちに主体的に社会に参画しようとする意識を育むことは大変重要であり、今後とも、府民会議や京都府北方領土教育者会議と連携しながら、こうした学びの場が更に広まるよう努めて参りたいと考えております。