公明党


6月定例会 一般質問

経済政策について

(質問)

経済政策に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

(1)今年度当初予算は防災減災対策を中心として、本来の事業効果と共に府内経済への効果を上げるため、2月補正予算と合わせた14カ月予算という考え方で対前年 度比、投資的経費を30%以上増加させているが、輸入資材をはじめとして、多くの資材が高騰するなど、増加した投資的予算の効果が相殺される状況が生まれつつある。 既にその影響は出てきていると考えられるが、事業効果、経済効果を発揮するために編成した14カ月予算の執行見通しはどうか。

(2)今回の資材高騰は2つの局面で見ることができる。需要拡大により供給側の単価が上昇したものと、輸入資材の円安による高騰である。労務単価の上昇等も予想さ れるが、動向をどのように捉え、適正な予定価格での発注をどう確保していくのか。また、その上で事業効果と経済効果をどのように発揮しようとしているのか。

(3)工事自体の効率を上げるためには、発注のタイミングを遅らす、または発注は予定どおりに行うが工事の完了時期を遅らせるなどの工夫を行う方が、より良い状況 となるとも考えられ、必ずしも早期発注、完了にこだわらなくても良いと考えるがどうか。

(4)国の成長戦略のメニューがそろう中、地域戦略としては京都府経済の活性化に結び付け連動させていく作業が必要である。本府の産業の特徴は中小企業とものづく りであり、その中には当然、伝統産業も含まれるが、国の成長戦略をどのように評価し、本府の特徴をどのように結び付け、成長させようと考えているのか。

(答弁骨子)

まず、14か月予算の執行見通しについてでありますけれども、今とにかく14か月予算を組んで、防災・減災対策や地域経済の活性化などの必要なインフラ整備に一所 懸命取り組んでいるところなんですけれども、経済対策としては、事業効果が早く出てこないと意味がない点があります。このため、特に早期執行が必要な平成24年度 からの繰越事業、ここを優先をして発注を進め、2か月経過した5月末の契約率では、繰越分については約40%、全体でも約25%進捗しているところでありまして、 2か月という形から見ると、かなり進んできているというふうに思っております。一方で、この経済対策は、別に京都府だけが行っているではなくて全国で行われておりま すし、しかも東北の復興が本格化している訳でありますので、これは政策による円安、そして資材の上昇、また労務単価の上昇、ある程度これは一応、経済政策からする と織り込み済みの中で行われてきている訳でありますので、そうしたものについては我々も念頭に置いていかなければならない。それによって、需要が喚起され、全体的に も資金の需要が出てきている訳ですから、デフレが脱却できるという話ですので、ここで資材が下がって、給与が下がってしまったら、何の意味もなくなってしまう訳です ので、それは織り込み済みの面があるんだろうと思います。これを受けてですね、我々も「京都府公共事業執行対策会議」を開催いたしまして、もう一度、計画的かつ迅速的にこれが出来るように再度徹底するとともに、労務や資材 の高騰等を踏まえた発注について、各部局と対応を進めてきたところでありまして、その中で労務単価につきましては、本年4月に前年度比の府内平均で1 2%の大幅引上 げを既に実施しております。そして資材単価につきましては、市場調査に基づきまして、改訂をしていっているところであります。今後の経済状況を見れば、さらに資材・ 労務価格の一定の上昇は想定をしておく必要があるというふうに思っておりまして、場合によっては、必要な事業はやらなければいけませんから、事業費の増額を検討して いく。同時に、今おっしゃいましたように、地域経済全体の流れを見る話でありますけれども、少し状況を見なければならないものについては、状況によって見て、バラン スをとった作業が必要になるというふうに思っておりますけれども、これは今後の流れの中で考えて行きたいというふうに思っております。次に、政府の成長戦略について でありますけれども、私は政府の成長戦略として、3本の矢ということで次々に出されてきていることについては、政府としてはある面では非常に順調にこられているのでは ないかという風に理解をしているところであります。その中において金融緩和が行われ、そして公共事業が行われ、これからが一番難しい成長戦略の部分に入ってくる訳な んですけど、そのときに今どうも政府の様子を見ていますと、かなり重点投資に傾いていると、ある一定特定分野についての重点投資をどんどんやっていくことによって、謂 わばそれが先行していくことによって、地域全体を引き上げていこうという政策のように思えます。こういった場合、一番心配な点は、その分野は良いかもしれませんけども、 残りの分野はタイムラグがありますので、その分野が大丈夫だろうか。同時に地域経済全体を引き上げていくためには、その全体引き上げ策をどうやって組み込んでいくか、と いうのが問題だと思っています。その面では、重点投資の面につきましては、これは例えば「関西イノベーション国際戦略総合特区」とかクールジャパン、こうしたものについ て京都府も応募しておりまして、政府の施策と連動していこうじゃないか、という風に思っておりますし、その中で京都としましては伝統産業やものづくり産業の集積を活か して独自の生き方もしないといけませんので、これは「京都産業育成コンソーシアム」を中心に京都全体として連携をして成長産業を作り上げていく。そして、これから実は一 番必要となってまいりますのは、そうした中で、そうした効果を地域経済全体に及ぼしていく、明の部分を暗の部分にどうやって持っていくのか。これがやっぱり地方公共団体 がやらなければいけないことでありますので、この点につきましては、国と地方の協議の場でも、私は安倍総理に地方財政の安定化や地域経済の大切さを訴えたところでありま して、京都府といたしましても、中小企業応援隊による寄り添い型の支援をさらに進めて、中小企業にもより幅広くその効果を波及させ、福祉や農業など、様々な分野にこうした 影響が及ぶようにする。そして、また、資材単価の高騰やそうしたものに対しては適切に配慮して全体としての底上げを目指す政策を、京都府としてうっていくことによって、 この政策の成功というものに向かって、我々も歩みを進めていきたいと思っているところであります。
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災害対策について

(質問)

災害対策に関し、次の諸点について、所見を伺いたい。(建設交通部長)

(1)昨年の府南部豪雨は、宇治川に流れこむ堂ノ川、弥陀次郎川、新田川、戦川など溢水による洪水被害を発生させた。有識者によるとりまとめによると、弥陀次郎川の決壊原 因は、越水によるものではなく、河床の損壊から始まる浸食破壊の可能性が高いと結論付けている。一方で、浸透による破壊の可能性も否定できないとの指摘もある中、今回の とりまとめの検討結果を工法選択にどのように反映して、鋼矢板による工法を選んだのか。また、その効果についてはどうか。さらには、堂ノ川や新田川、戦川の整備をどのよ うに推進していくのか。

(2)災害発生時、この3つの河川では明らかに山からの土砂と思われる目の細かい土や流木が見られ、空からの撮影では、宇治市東部丘陵地域の表層崩壊が20箇所以上確認でき たと聞いている。とりまとめでも洪水時の様子として、砂と土砂の流れ込みや流木・丸太などの引っかかりを指摘しているが、表層崩壊による被害への影響をどのように分析し ているのか。また、その対策について、昨年の府南部豪雨の被害状況を踏まえ、どのように取り組むのか。

(3)平成 22年に国が発表した「深層崩壊推定頻度マップ」によれば、「特に高い」、「高い」、「低い」、「特に低い」の4段階評価の中で、本府は「高い」に該当する地域が 51%となっているが、本府における深層崩壊による災害の危険性とその地域について、どのような認識を持っているのか。また、深層崩壊までいかないまでも、表層崩壊による 被害の想定とその対策について、どのように考えているか。

(当日答弁)

弥陀次郎川についてですが、技術検討会における「弥陀次郎川は、河床又は護岸が破壊されて欠壊した可能性が高い」との見解を受け、そのような破壊現象に対してより強い構造で ある鋼矢板工法へ変更いたしました。この矢板を天井川となっている全区間で先行して施工いたしましたので、仮に昨年のような集中豪雨に見舞われたとしても、災害の再発は防止 できると考えております。

【堂ノ川、新田川、戦川】

次に、堂ノ川、新田川、戦川についてですが、堂ノ川については改修が完了しており、昨年の出水を受けた最下流部の木幡池において、南池と中池、北池を結ぶ水路の浚渫などを実施い たしました。新田川については、上流部分へ改修を進めるため、JR奈良線の交差部分の改修について、JRと協議しているところでございます。また、戦川については、京阪宇治線か らJR奈良線までの300m区間について、今年度、用地の確保と護岸の工事を進める予定です。更に、新田川と戦川については、上流部分に事業区間を延伸させるため、宇治川圏域河 川整備計画を見直し、年内を目標に変更いたします。

【表層崩壊】

次に表層崩壊についてでありますが、府南部豪雨災害では、表層崩壊で流れた樹木が弥陀次郎川や戦川へ流入し、下流の橋梁などで流木による河道閉塞が発生して洪水被害が増大いたし ました。この流木による閉塞対策といたしまして、流木を上流で捕捉できるスリットタイプの砂防えん堤や流木を止める施設などの整備に今年度新たに着手したところでございまして、 今年度は4箇所で整備してまいります。なお、府内には、表層崩壊で、人家や道路などへ直接被害を及ぼすおそれのある土砂災害危険箇所が約3,700箇所存在いたします。これまでに 約620箇所でえん堤などのハード整備が完了しており、現在は100箇所で整備を実施中です。このハード対策には多額の費用と長い時間が必要となるため、まずは老人福祉施設や保育園、 避難所など、重要な施設がある箇所を最優先で整備に取り組んでおります。また、ハード対策とともに、監視・警戒・避難体制の整備のソフト対策が重要でありまして、土砂災害警戒 区域の指定や京都地方気象台と連携して土砂災害警戒情報の発表などのソフト対策にも取り組んでまいります。

【深層崩壊】

次に深層崩壊についてですが、京都府では京都市北部から南丹市、京丹波町、綾部市にまたがる丹波高地が4段階評価の上から2番目の危険レベルであるエリアとされています。 このエリアは、国勢調査での人口集中地区ではございませんが、推定で約5万人の方が居住されており、深層崩壊への備えは重要な課題であります。このため、今年度から、国土交 通省が、この丹波高地において航空写真や地形図などを元に危険度を詳細区分する地図を作成する予定で、危険度が高いと判断された区域について、レーザー航空測量などの詳細調 査が実施されます。なお、紀伊半島などで先行して進められている振動センサーや衛星レーダーによる監視警戒システムの整備については、この詳細調査の結果に基づいて検討がな されます。今後とも、国、市町村と連携して、ハード・ソフト一体となった総合的な治水対策と土砂災害対策を推進してまいります。
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農林水産業における主力産品の普及拡大について

(質問)

農林水産業における主力産品の普及拡大に関し、次の諸点について、所見を伺いたい。(農林水産部長)

(1)京のブランド産品に認証している丹後とり貝の養殖における生存率は、本年が20%と例年と比べ10ポイント程度下回り、その原因として水温の上昇が指摘されている。本府は ブランド産品の普及拡大に向け品質の向上から販売先の確保までさまざまな課題を解決してきたが、最近、自然環境の変化が大きな課題となっている。温暖化や異常気象の通年化 も予想される中、丹後とり貝を含め、ブランド産品の生産量安定のためにできる本府の役割は何か。また、水産業であれば海洋センターの機能強化が必要になると考えるがどうか。

(2)農業分野における主力産品の大きな柱である宇治茶について、今後の異常気象などの通年化を踏まえ、茶の木の品種改良から生産の安定のために、京都府茶業研究所が果たす べき役割は何か。また、再編統合を終えた中、茶業研究所の強化についてどのように考えているのか。

(答弁)

農林水産業における主力産品の普及拡大についてでありますが、異常気象対策として、府の研究機関では、高温障害に対する温度制御技術や強い品種の育成、開発技術の早期普及 と技術指導、気象災害対策情報の迅速な発信が役割と考えております。議員ご指摘の「丹後とり貝」については、海洋センターの稚貝の生産技術を本年から漁業者へ移転し、3年 後までに現在の稚貝生産量54万個から、さらに10万個以上拡大すること、東北大学との共同研究などにより、高水温に強い品種への改良、現在のマニュアルの改訂を行い、生存率 50%を目指していきたいと考えております。さらに、開発技術を迅速に普及し、担い手を育成するため、海洋センターと水産事務所とのタスクチーム活動を強化するとともに、 「海の民人育成アクションプラン」の検討を進めてまいります。次に、異常気象に対する茶業研究所の役割についてでありますが、3つありまして、高温・干ばつ対策として、葉焼 けを防ぐための被覆技術、肥料や水を素早く吸収させる点滴施肥技術を確立・普及、春先の低温対策として温度や日射量等から最適な被覆時期を判断する技術の確立、温暖化の影 響により発生が多くなる病害虫等に強い品種の育成について、研究を進めていくことが役割と考えています。今後は、研究機関の再編のメリットを一層生かして、産学官連携によ る、抹茶特有の香りが持つリラックス効果などの機能性の解明による新商品の開発、研究機関横断的な研究として、宇治茶のパウダー化等により新商品を目指した加工技術の開発 、輸出に対応した生産技術の確立に取り組む予定で、京都の強みを生かした技術開発の拠点として機能をさらに強化してまいります。
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